妊娠中・授乳中に必須のビタミン

女性特有の症状(年齢別)に合わせたビタミン対策

妊娠中・授乳中に必須のビタミン

女性にとって妊娠中、授乳中は大事な時期

妊娠中は普段の4倍のビタミンDが必要となる

妊娠中の女性は胎児の発育に伴ってあらゆるビタミンの必要量が増大します。厚生省の定める「日本人の 栄養所要量」では、6種類のビタミンについて、妊娠中は、B1、28%、B2、20%、ニコチン酸、31%、C、20%、A、11%そしてカルシウム代謝に不可欠なDは300%の負荷の必要性を認めています。

他のビタミンについても、摂容量をふやすことが必要です。妊娠中は高脂血症の状態が持続しますので、 米国の所要量では、ビタミンEを通常の1日8mgから25%10mg摂取することを推奨しています。

先天性奇形の予防には妊娠前後の葉酸摂取を

葉酸は摂取する時期にも注意が必 要で、受胎1ヶ月前(ピル常用者は33ヶ月前)から妊娠3ヶ月まで葉酸の服用をつづけることで、神経管欠 損(NTD)などの先天性奇形の危険を軽減できることが、幾つかの研究で明らかになっています。 神経管は胎児のごく初期にでき、発達すると脳や脊髄になる器官で、NTDではその神経管が2つに分か れる「二分脊椎」などのため、赤ちゃんはしばしば下半身麻痺などの障害を伴って生まれます。

NTDの発 生率は出生1000人に1人ほどですが、受胎1ヶ月以内に発生するため、妊娠に気づいてから予防を考え たのではおそいことになります。

過去にNTDの赤ちゃんを出産した経験のある1800人の女性を対 象とした英国の研究によると、受胎1ヶ月以上前から1日4mggの葉酸を服用させたグループが再びNTDの赤ちゃんを生んだ率は、葉酸を服用 しなかったグループにくらべ、72%も低下しました。

また、ハンガリーで行われた研究によれば、葉酸0.8mgを含む総合ビタ ミン剤を受胎1ヶ月以上前から服用した女性の生んだ赤ちゃんは、NTD、心奇形(心室中隔欠損症など)、尿路異常などが著しく減少したといいます。

ビタミンB12・葉酸の働きと作用
http://vitamin-guide.info/archives/63

葉酸はレバーに豊富、食べ過ぎるとビタミンAの過剰症の心配もある

妊娠の可能性があるすべての女性に、ハンガリーではl日1mg以下、米国では1日0.4mg(400μg)の葉酸の摂取を推奨して います。

葉酸は牛、豚、鶏のレバーや大豆などに豊富ですが、レバーはビタミンAも多く含むので、過剰症を避け るため、レバーが好きな人でも1日50グラムgまでにとどめるべきです。 米国の推奨する葉酸1日400μgを満たすには、牛、豚、鶏などのレバーを30グラム強、ほかに納豆、グリーンア スパラガス、キャベツ、ほうれんそう、レタス、白米、食パンをどれも 100グラムずつ食べてようやく400μgですから、なかなかたいへんです。米国の推奨量は事実上、サプリメントの利 用をすすめたものといえます。

新生児出血症を防ぐ納豆とほうれんそう

妊娠後期には、ビタミンKを過不足なく摂取することが望まれます。ビタミンKは1歳ごろから、腸内 細菌の働きで合成されますが、生後間もない赤ちゃんは腸内細菌が発達していないため、K欠乏による消化 管出血で便が黒くなったり、頭蓋内出血を起こして死亡したり、後遺症を残すケースがあります。

こうした新生児や乳児のビタミンK欠乏性出血症を防ぐため、現在で は、出産数日後、退院時、11ヶ月健診時の3回、ビタミンKのシロップを飲ませる方法がとられています。

全国の病院の3年間の統計によると、K欠乏による頭蓋内出血を起こした乳児は6例で、平均生後54日で発症していました。そのうち5例は、ビタミンK のシロッ プを3回ともきちんと飲ませていなかったケースですので、頭蓋内出血の予防にシロップは有効と考えられます。

関連情報

葉酸は特に妊婦に必要な女性のためのビタミン
https://more-supplement.info/use/archives/1192

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