女性のためのビタミン対策
女性特有の症状(年齢別)に合わせたビタミン対策
ビタミンの体内の貯蔵量が減り血中濃度が低下
明らかなビタミン欠乏症は、先進国ではほぼ皆無に
ビタミン摂取が抱える問題点
明らかなビタミン欠乏症は、先進国ではほとんど見られないようになりました。このため、多くの人はビタミンの心配をしなくてもしっかり足りているものと思いがちですが、これは誤りです。 ダイエットや外食つづきの生活はビタミン摂取量の低下が避けられません。たばこ、飲酒、ストレス、スポーツなどの習慣は、抗酸化ビタミ ンなどの体内需要を高めます
このようにビタミンの摂取不足がつづき、体内需要が高まると、ピタミンの体内貯蔵量が徐々に減少して きます。血中ビタミン濃度が低下し、一部の組織ではビタミン量が減少します。
ビタミンB群の減り始めた組織の細胞では、酵素の活性低下が起こります。酵素はアミノ酸からなるアポ 酵素にビタミンB群などが補酵素として結合したものですが、ビタミンを含まないアポ酵素が細胞内にふえ組織としての活動性が低下します。
たとえばビタミンB1の体内貯蔵量が減少すれば、細胞内で解糖が不完全になり、エネルギーをじゅうぷんに得ることができないので、体のだるさ、疲労感、動悸、息切れ、食欲不振などの不足を招きます。 さらに、糖が余るようになると、今度は脂漏性皮膚炎などのように治りにくい皮膚炎があらわれます。
脚気やウェルニッケ脳症のような臨床的に明らかな欠乏症が起こるのは、細胞内にビタミンB1が枯渇した 状態がつづき、酵素活性の低下がさらに顕著になってからです。先進国 ではこうした欠乏症こそまれになったものの、血中ビタミン濃度の低下から不定愁訴を訴える人はけっして 少数ではなく、「潜在性ビタミン欠乏症」として大きな問題になっています。女子大生の50%が潜在型B1欠乏症
潜在性ビタミン欠乏症の診断は、主に血中ビタミン濃度でなされ、現在、ビタミンの専門家がその基準を 作成しています。
血中ビタミンB1濃度が40ng/ml以下の人を潜在性B1欠乏症としています。 女子学生では過半数が潜在性ビタ ミンB1欠乏症と診断されています。過 疎地では食品の流通の関係からか、農村でも漁村でも、やはり過半数に潜在性ビタミンB1欠乏症が確認されています。
このように日本人には特にB1の潜在性欠乏症が多いことが確認されていますが、潜在性ビタミン欠乏症はあらゆるビタミンに起こりえます。 血中ビタミンC濃度が0.7mg/dl以下の人を潜在性ビタミンC欠乏症とした研究では、見た目には健康な人の10~15%にビタミン欠乏症が確認されています。
所要量の10倍量のビタミンを1~2週間続けて摂取する
18~64歳を対象にした都の栄養調査では、男女とも60%近くが「朝起きたときに疲れを感じる」と答え、若年層(18~24歳)の男性の20%以上が体の不調を訴えました。
これも背景には潜在性B1欠乏症があるものと思われますが、体が自然に求めるためか、若 年層の男女の35~48% がビタミン剤などを利用していることもわかりました。
潜在性ビタミン欠乏症の改善にはサプリメントのとり方 に工夫が必要です。1日所要量を満足する程度の摂取では、ビタミンの体内貯蔵量の回復に長期間かかるでしょう。むしろ 所要量の10倍以上のビタミを1~2週間摂取し、体内貯蔵量を早期に戻すことがすすめられます。
ビタミンの体内需要はさまざまな理由で高まり、潜在性ビタミン欠乏症を生み出 します。サプリメントで、うまく立て直しをはかりたいものです。 そしてビタミンが豊富に含まれる食材や食べ物を意識して摂ることも同時に行うのが理想です。