貧血を防ぐビタミンと葉酸

貧血は放置しないで適切な対処を!

女性の貧血のほとんどを占める鉄欠乏性貧血

貧血は思春期以降の女性に多い症状の1つで、女性の5人に1人が貧血

毎日の食生活で鉄分と葉酸をとる習慣が大事

貧血は思春期以降の女性に多い症状の1つで、し女性の5人に1人が貧血ともいわれます。 貧血は血液の血球成分のうち、赤血球が血液1mm中に350万個以下に減った状態をさします。 赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶ働きをしていますが、これは赤血球 内に詰まったヘモグロビンが酸素と結びつくことで行われます。

ヘモグロビンは、鉄を材料としてつくられ るヘムという赤い色素と、グロビンというタンパク質でできていますから体内に鉄が不足すると、赤血球 内のヘモグロビン量が減ります。

「鉄欠乏性貧血」ではこうして赤血球数が減り、同時にヘモグロビン量 も減ってきます。女性の貧血の多くは月経時の出血やダイエットなどに よる鉄欠乏性貧血で占められます。

鉄不足の治療
http://www.h-mania.info/2015/07/25/%E9%89%84%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%AE%E6%B2%BB%E7%99%82/

鉄の吸収を4倍に高めるビタミンCの働き

鉄欠乏性貧血の改善には、鉄だけでなくビタミンCの摂取を心がけるとより効果的です。 ビタミンCの不足したごはん食にCを60mg添加すると、鉄の吸収率が約4倍に高まることがわかっています。

これはビタミンCが三価の鉄を二価に還元して、腸管からの鉄の吸収を促進するためです。 果物や野菜が好きで毎日食べてい る人はCを1日60mg以上摂取できている可能性がありますが、外食がつづくようなときは、食後にサプリメ ントでCを補うことです。

ビタミンAも鉄欠乏性貧血の改善に必要です。女子学生の血液を調べた研究で、血中ヘモグロビン量が低 い学生ほど血中ビタミンA濃度も低いことが確認されています。

鉄とビタミンAを同時にとれる食品といえば、レバーを思い浮かべる方も多いでしょうが、貧血を治そ うとレバーばかり食べつづけるのは禁物です。ビタミンAは1日1万IUを超える摂取をつづけると過剰症の 心配が出てきますが、鶏のレバーは20gほどで1万IUになります。

緑黄色野菜などからβカロチンとして摂取すれば過剰症の心配はありませんし、鉄もビタミンCも同時に 摂取できるメリットがあります。

ビタミンCを多く含む食品
http://www.vitamin-qa.info/2014/04/19/post-124/

女学生の多くが葉酸不足

鉄欠乏性貧血はヨーロッパでは古くから知られ、中世にはくぎを落としたワインなどを貧血の治療に用い ていた歴史もあるといいます。しかし、19世紀中ごろに鉄を与えても治らない貧血がある ことがわかり、「悪性貧血」と呼ば れました。

悪性貧血はヘモグロビン量が足りているにもかかわらず、赤血球数が減る貧血で、骨髄の赤芽球宗血球 になる前の細胞) が巨大化し、いびつで大きな赤血球がふえるので「巨赤芽球性貧血」とも呼ばれます。 このタイプの貧血の原因は、ビタミンB12や葉酸の欠乏です。

ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれていません。一方、葉酸はグリーンアスパラガス、ほうれんそうなど に豊富に含まれます。つまり、菜食に偏っても肉食に偏っても悪性貧血を招くおそれがあるわけです。 B12と葉酸の1日所要量はわが国では定められていませんが、米国では 成人女性でそれぞれ2μgと180μgとしています。健康な女子学生162人を対象に行った食事調査によると、この 米国での所要量を満たしていたの は、B12で85%、葉酸で45% にすぎませんでした。

米国のコミックの「ポパイ」に、いつもハンバーガーばかり食べているウィンビーという男が登場します が、現代の学生の食生活はこのウィンピーに近いようです。 葉酸は従来、欠乏は起こりにくいとされてきましたが、ポパイのほうれんそうの缶詰めのように、 サプリメントで葉酸を補うことが必要かもしれません。

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