天然型、合成型、錠剤、それぞれの実力は

サプリだけがビタミン剤ではない

合成型ビタミンEは天然型に比べて吸収の面では劣る

天然型と合成型を比べる

医薬品のビタミンC、1グラムと食品のビタミンCの1グラムは同じ

ビタミンE のサプリメントには、植物の種子などから抽出した天然型と、化学的に合成された合成型があ ります。

ビタミンE といえば普通、αトコフェロールのことをさしますが、天然型では成分表示のαトコフェロー ルの前に「d」が、合成型では「dl」がつくので区別できます。

天然型の「d -αトコフェロール」の生理活性を100として、各種αトコフェロールの活性は、同じ天然型でも「酢酸」がつく と、効力は10%減になります。他方、合成型の「酢酸dl-αトコフェロール」の活性は67ですから、1日300mg摂取して いるつもりでも、その効力はd-αトコフェロールの200mgにしか相当しないわけです。

健康な人にdーαトコフェロール、またはdl-αトコフェロールを300mg服用してもらい、その後4日間の血中αトコフェロール濃度 の変動を観察すると、どちらも服用6時間後から急速に血中濃度が上昇していますが、dl-αトコフェロールでは12時間後から 頭打ちとなったのに対して、d-αトコフェロールでは24時間後にピークを迎え、血中濃度の増加量でまさ っています。

合成型はこのように効力や吸収の面では天然型に劣りますが、天然型 Eの錠剤を2粒とるかわりに合成型を3粒とれば、効力は同じです。

そして天然型2粒より、合成型3粒の ほうが一般に安価に買えるので、お得感はあります。

ドリンク剤は即効性が魅力だが効力が落ちるのも早い

サプリメントで最も人気の高いのがドリンク剤で、年間にすごい金額の巨大市場を築いています。 剤形 が錠剤やカプセルであれドリンクでれ同量のビタミンを含む限り、その効果は同じですが、その効き方には多少違いが見られます。

フルスルチアミン(TTFD)5mgををドリンク剤または錠剤として服用してもらい、その後24時間の血中ビ タミンB1濃度の変動を観察すると、錠剤では血中濃度がピークに達するまで90分を要したのに対してドリンク剤では30分後に早 くもピークを迎えています。

ドリンク剤は腸管から速やかに吸収され、このように即効性がありますが、26時間後の血中濃度は錠剤のほう がむしろ高めに維持されています。

ドリンク剤はビタミンのほか、重酒酸コリン、イノシトール、塩化カルニチンなどのビタミン様作用物質、さらにはアミノ酸、ローヤルゼリー、漢方生薬、カフェインなどを配合して特徴を競っています。 錠剤、カプセル、粉末などを利用 する際は、吸収を考えて、1日量を3回に分け、毎食後に飲むのが賢いとり方です。

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