月経前症候群にビタミンB6

女性特有の症状(年齢別)に合わせたビタミン対策

ピル服用時と月経前症候群にはビタミンB6の補給

ビタミンB6の摂取が必須

ピルに含まれるエストロゲンがB6の体内需要を高める

ピルは本来、錠剤や丸薬のことですが、経口避妊薬をさす言葉として広く定着しています。 経口避妊薬とは、合成黄体ホルモン(プロゲステロン)と合成卵胞ホルモン( エストロゲン)を合わせた 薬で、1錠中の黄体ホルモンを1mg以下、卵胞ホルモンを50μg以下に抑えた、副作用の少ない低用量ピルが 開発され、全世界で9000万人の女性に服用されています。

わが国ではホルモン量の多い高用量ピルを、適応外使用の形で約20万人の女性が服用しているのが現状ですが、いずれは低用量ピルが許可されることになるでしょう。

ピルを常用している女性は、潜在的なビタミンB6欠乏症になりやすくなっています。 エストロゲンにはトリプトファンというアミノ酸からニコチン酸への代謝を促進する作用がありますが、B6はこのアミノ酸代謝に補酵素として働きます。

このため、ニコチン酸は比較的充足しやすい反面、B6の体内需要が高まり不足しやすくなるのです。 ピルは、また葉酸の腸管からの吸収を阻害し、B6とともに予算の血中濃度も低下させます。 反対に血中ビタミンA濃度は上昇させます。

このようにビルの服用は体内のビタミンの分布に大きく影響を与えます。ピルを服用している人は、B6や葉酸の摂取を心がけるとともに同時にビタミンAの摂取を意識します。

排卵期は血清B6濃度が低下する

女性はピルを服用していなくても月経前になるとエストロゲンの分泌が高まります。月経周期と血中B6濃度 は、エストロゲン分泌が最高になる排卵期に著しく低下していました。 ビタミンB6には明らかな欠乏症はないとされていますが、こうしたB6の低下は、食欲不振、吐きけ、頭痛などの不定愁訴の原因となります。

月経開始前10日前後にあらわれるこうした不定愁訴を「月経前症候群(PMS)」と呼んでいます。 PMSの治療にはB6の服用が有効で1日50~100mgという大量のB6の服用により頭痛やうつっぽい症状などの過半数は改善されます。

ピルを常用している女性やPMSに悩む女性は1日10mg程度から体調を見ながら少しずつ増やして様子をみるといいでしょう。

ドリンク剤の多くはビタミンB6含有量が1本あたり5~10mg以下で1日所要量を満たせるにとどまります。 医薬品のビタミン剤は1日量(2~3錠)にB6を50~100mg含有するものが多いのですが、1錠で100mg含むもののあります。B6の含有量をよく確かめてできるだけ多いものを選んで1日1錠から服用を開始するのもひとつの方法です。

関連情報

ページの先頭へ